週刊・将棋速報(2023年5月15日号)

第81期名人戦 第3局 渡辺名人が1勝を返す!

ギャーッ!

聡太君!優勢だったのに・・・珍しく終盤△2七歩が悪手。

多分、予定の△7六歩に、明確な見通しが立たなかったんでしょうね。

しかし、こんな状況は過去何度もあった。

我慢強く指さなければいけない場面でした。

これは、29連勝後に負けが目立った時の心境に似ています。

要するに、勝ちを焦って、悪い手を選んでしまった。

やや優勢だと、早く勝勢にしようと、踠く。

踠(もが)く

そうすると、どういう訳か、悪手が好手に見えて来る。

不思議な現象です。

これは多くの棋士が、経験し、吐露する心境です。

聡太君でも錯覚する。

局後のインタビューに「読みを欠いた」と反省していましたが、一番の原因は、心理的な「焦り」だと思います。

なぜ焦ったか?

それは名人位奪取がチラついたからでしょうね。

そりゃそうでしょうねえ。

聡太君に限らず、名人位は、他のタイトルとは比重が違います。

珍しく、平常心を失ってしまった。

頑張れ!聡太君!

第64期 王位戦リーグ 羽生九段、紅組優勝!

羽生九段、やりましたね~!

将棋ファンは拍手喝采!大興奮!

先の王将戦七番勝負の善戦を観た他のプロ棋士も驚いたことでしょう。(註1)

まあ、未だ挑戦者決定戦で勝たないといけませんけどね。

しかし、羽生さん6月から将棋連盟会長なんですよね~

忙しくて、対局に集中できるのかしら?

故・大山十五世が会長だった昭和時代とは、状況が異なります。(註2)

今は、事前研究に十分な時間を割かないと、聡太君には絶対勝てません。

心配だな~

と、なると、白組優勝の佐々木大地七段の挑戦もあり!か。

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【対局ニュース】

第81期 将棋 名人戦 七番勝負 第3局
渡辺明名人 vs 藤井聡太六冠(竜王・王位・王将・叡王・棋聖・棋王)
対局日:令和5年(2023年)5月13日(土)・14日(日)
場所:大阪府高槻市「高槻城公園芸術文化劇場」
持時間:各9時間
開始時刻:13日、9時
終了時刻:14日、20時20分
結果:87手で▲渡辺名人の勝ち。
名人戦七番勝負シリーズの成績は、藤井2勝、渡辺1勝。

伊藤園お~いお茶杯 第64期 王位戦 挑戦者決定リーグ 紅組 5回戦
豊島将之九段(3勝1敗) vs 羽生善治九段(3勝1敗)
対局日:令和5年(2023年)5月8日(月)
場所:東京・将棋会館「高雄」の間
持時間:各4時間
開始時刻:10時
終了時刻:19時40分
結果:124手で△羽生九段の勝ち。
勝った羽生九段は4勝1敗で紅組優勝、白組優勝の佐々木大地七段と5月18日に挑戦者決定戦を争う。

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【註解】

註1.先の王将戦七番勝負

ALSOK杯 第72期 王将戦七番勝負 藤井聡太王将 vs 羽生善治九段
令和5年(2023年)1月から3月に行われ、藤井王将の4勝2敗で防衛した。

藤井六冠は、令和2年(2020年)に初タイトルの棋聖を奪取してから、タイトル戦に13回登場し、13回制覇したが、タイトル戦で藤井六冠相手に2勝したのは、竜王戦七番勝負の広瀬章人八段に続き羽生九段が2人目。<参照:タイトル戦通算成績

註2.故・大山十五世が会長

大山康晴(おおやま やすはる)十五世名人
大正12年(1923年)3月13日-平成4年(1992年)7月26日、69歳没。
主な記録:公式タイトル戦獲得数80期(歴代2位)、一般棋戦優勝44回(歴代2位)。
昭和51年(1976年)から平成元年(1989年)まで14年間、将棋連盟会長。

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