王位戦第3局、藤井王位、勝って防衛に王手!
佐々木大地七段が、棋聖戦、王位戦の両方の挑戦権を獲得した時。
聡太君は「苦戦する!」と予想する棋士が多かった。
まあね。
聡太君圧勝と予想したんじゃあ、タイトル戦が盛り上がりませんからね(笑)
でも、そのリップサービス分を差し引いても、番勝負は縺れるだろう、と思われた。

縺(もつ)れる
案の定、棋聖戦第2局で、聡太君が、逆転負けを喫して、
「やっぱり!ねっ!」
と、棋界スズメは、予想が的中した、と、ご満悦。
ところが、その後、聡太君は、佐々木に対して、5連勝!
(棋聖戦2連勝して防衛!王位戦開幕から3連勝!)
ええっ!?
佐々木大地!どうした!?
スズメの面目丸潰れ!(泣)
斯(か)く言う私も、そのスズメ(笑)
あははは
5連勝の原因は、聡太君の「対応力」にあり!
具体的には二つ。
一つは、収束を慎重に行っていること。
もう一つは、戦略を変更したこと。
詳細は、「新・将棋論考」に書きます。
まあ、兎に角、聡太君の「対応力」が凄い。
大谷翔平が、メジャーリーグで今年も活躍しているのは、「対応力」以外の何物でもない。
だってね、相手だってプロですからね。
毎年やられっ放しって理由(わけ)ない。
必ず、大谷の長所短所を研究し、対策を練ってくる。
一年ポッキリ活躍した選手は、山ほど居る。(註1)
だけど、毎年活躍するには、相手の上を行く「対応力」が、必須条件だ。
聡太君は、大谷翔平と同様に、「対応力」を具えている。
竜王戦が熱い!伊藤匠六段が挑戦者決定戦へ!
いや!いや!いや!
注目の棋士・伊藤匠六段
やりましたね~
竜王戦5組で優勝して決勝トーナメントへ進出。
並みいる強豪を次から次へと破って5連勝!
とうとう挑戦者決定三番勝負に漕ぎつけた!
凄い!
過去、4連勝して一歩手前まで登った棋士は居たが、決定三番勝負に辿り着いた者は一人も居ない。(註2)
史上初の快挙!
もし、伊藤が挑戦者となれば、聡太君より2ケ月若い、年下の挑戦者となる。
聡太君が最も恐れる相手です。
3年前、棋聖、王位と奪取して二冠になった聡太君が「急がなければ」とインタビューで答えた。
これに王将位を獲ったことのある某ベテラン棋士が、
「こんなに強いのに、何を恐れて急ぐのかなあ」
と、首を傾げていました。
聡太君の「急がなければ」は、決して誇張ではないのです。
なぜなら、羽生善治永世七冠が19歳のときに同じことを語っているからです。
当時、その手記が新聞に載り、米長邦雄九段は切り抜いて、壁に貼り、毎朝、朗読した、と言うエピソードが残っています。(註3)
そう!天才は天才を知る!
藤井聡太七冠は、年上の強豪をちっとも恐れていないんです。
自分より若い天才の出現を恐れているんです。
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【対局ニュース】
伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 七番勝負 第三局
▲藤井聡太王位(名人・竜王・王将・叡王・棋聖・棋王)vs △挑戦者・佐々木大地七段
対局日:令和5年(2023年)7月25日・26日
場所:北海道小樽市の旅館「銀鱗荘」
持時間:各8時間(ストップウォッチ方式)
開始時刻:9時
終了時刻:19時01分
結果:131手で先手・藤井王位の勝ち。
七番勝負シリーズの成績は、藤井3勝、佐々木0勝。
王位戦4連覇に王手をかけた。
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第36期竜王戦 決勝トーナメント
▲伊藤匠六段(5組優勝)vs △稲葉陽八段(1組優勝)
対局日:令和5年(2023年)7月27日
場所:関西将棋会館「御上段の間」
持時間:各5時間(ストップウォッチ方式)
開始時刻:10時
終了時刻:22時02分
結果:113手で先手・伊藤の勝ち。
伊藤は、挑戦者決定三番勝負に進出。相手は永瀬拓矢王座。
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【プロフィール】2023年7月31日現在
佐々木大地(ささき だいち)七段
生年月日:平成7年(1995年)5月30日生、現28歳
出身地:長崎県対馬市
師匠:深浦康市九段
竜王戦:4組
順位戦:C級2組
四段昇段:平成28年(2016年)4月1日、20歳。
七段昇段:令和4年(2022年)4月28日。
棋戦優勝など:なし。
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【註解】
註1.一年ポッキリ活躍した選手は、山ほど居る。
直近では、ゲレーロjr。2021年大谷とMVPを争った。
2021年のゲレーロjrの成績は、打率.311、本塁打48本、打点111。
2022年のゲレーロjrの成績は、打率.274、本塁打32本、打点97。
2023年7月31日現在の成績は、打率.267、本塁打17本、打点66。
因みに、大谷の成績は
2023年7月31日現在、打率.302、本塁打39本、打点81。
註2.過去、4連勝して一歩手前まで登った棋士
第33期竜王戦決勝トーナメントの梶浦宏孝六段は4連勝!
しかし、5戦目で1組優勝の羽生九段に敗れた。
註3.当時、その手記が新聞に載り・・・