聡太君、千日手を避けて、勝つ!
王座戦 第2局、驚きましたね~
聡太君、後手番で千日手を打開したんですよ~
渡辺、豊島、永瀬が後手なら、ノータイム、見る聴くなしで、千日手コースを選びます。
だってね、千日手にすれば、手番が替って先手番が貰えるんですよ。
皆、先手番の勝率が高いですからね。
聡太君も同じで、通算の勝率は、先手0.889、後手0.779。
1割以上違う。
にも拘わらず、千日手コースを避けた。
永瀬王座が以前、「藤井さんは千日手や持将棋にしないんですよね」と嘆き気味に語っていた。(註1)
千日手や持将棋は悪いことではない。
抑々(そもそも)、現代将棋では、「後手番の千日手狙い」は戦略の一つ。
皆、先手番が貰えるなら、喜んで千日手コースを選ぶ。
ただ千日手は、ファンからすると、勝負が長引いて面白くない、と言う面がある。
「千日手を避ける」の方針を「美学として」やっていたのは、谷川浩司十七世名人。
だが、無理して避けた為に黒星を喫していたのも事実。
しかし、聡太君が千日手を回避するのは、「美学」ではなく「余裕」じゃあなかろうか、と、思う。
序盤の千日手を避けても、簡単に負けない、と、思っている。
じゃあなきゃあ、回避する理由がない。
強いなあ(笑)
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【対局ニュース】
第71期 王座戦 五番勝負 第2局
▲永瀬拓矢王座(30歳)vs △藤井聡太七冠(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖、21歳)
対局日:令和5年(2023年)9月12日
場所:兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」
持時間:各5時間(チェスクロック方式)
開始時刻:9時
終了時刻:22時2分
結果:214手で後手・藤井七冠の勝ち。
藤井七冠は、シリーズ成績を1勝1敗とした。
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【プロフィール】2023年8月31日現在
永瀬拓矢(ながせ たくや)王座
生年月日:平成4年(1992年)9月5日生、現30歳
出身地:神奈川県横浜市
師匠:安恵照剛八段
竜王戦:1組
順位戦:A級
四段昇段:平成21年(2009年)10月1日、17歳。
八段昇段:令和元年(2019年)10月1日、27歳。
九段昇段:令和2年(2020年)10月14日、28歳。
タイトル獲得:5期。
棋戦優勝:2回。
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特集:注目の棋士は
【註解】
註1.「藤井さんは千日手や持将棋にしないんですよね」
第16回朝日オープン戦 本戦トーナメント2回戦
▲藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖、20歳)vs△増田康宏六段(25歳)戦
日時:2023年1月15日
永瀬拓矢王座が杉本昌隆八段との大盤解説で「藤井さんは千日手や持将棋にしないんですよね」と嘆いていた。
要するに、聡太君は、「千日手や持将棋を嫌う」「千日手や持将棋を避ける」。
それは研究会の練習対局でも、その姿勢だと語っていたのだ。