勝敗を超えた領域で舞う
聡太君、竜王防衛!
おめでとう!
それにしても、見事な終盤でした。
詰将棋と云うパズルがあります。
詰将棋は、駒が余らず、余詰みがないこと。
詰将棋のルールです。
そして、手順に意外性があり(難解)、詰み上がりが美しいこと。
これが秀作の条件です。
聡太君は、詰将棋解答選手権で5連覇中。
即ち、詰将棋を解くのは日本一ということです。
と、同時に、詰将棋を作る作家でもあり、実に独創的だと評判が高い。
今は対局に集中しているため、休んでいますが、詰将棋の作家連からは、早く復帰して欲しいと期待されている程です。
この詰将棋の才能を如何なく発揮したのが、本局です。
プロ同士の対局では、勝つことが精一杯です。
ところが、最近の聡太君は、余裕を見せています。
今回も、簡単な勝ちがあったのに、態々、難解な超手数の即詰みに討ち取っている。
理由は、詰み手順です。
駒が一枚も余らず、手順が難解。
正しく秀作の条件を満たしている。
要するに、そんな局面を実践の指し将棋で作った。
もう、勝敗を超えた領域で舞っているんですね。
凄い!
見事でした!
パチ!パチ!パチ!
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【対局ニュース】
第36期 竜王戦 七番勝負 第4局
▲藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖・王座、21歳)vs △伊藤匠七段(21歳)
対局日:令和5年(2023年)11月10-11日
場所:北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」
持時間:各8時間(ストップウォッチ方式)
開始時刻:9時
終了時刻:17時32分
結果:129手で先手・藤井竜王の勝ち。
藤井は、シリーズ成績を4勝0敗とし竜王位を防衛。3連覇を達成した。
これで生涯タイトル獲得指数を19期に伸ばした。
同時に負けなしの連続19期で、この連続記録は故・大山康晴十五世名人の歴代記録に並んだ。
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【プロフィール】2023年11月10日現在
伊藤 匠(いとう たくみ)七段
棋士番号:324
生年月日:平成14年(2002年)10月10日生、現21歳
出身地:東京都世田谷区
師匠:宮田利男八段
竜王戦:5組
順位戦:C級1組
四段昇段:平成32年(2020年)10月1日、17歳。
七段昇段:令和5年(2023年)8月14日、20歳。
棋戦優勝など:1回(新人王戦 第52期‐2021年)