提案
解説のプロ専門職が必要
昔なら、大盤解説の仕事は、片手間の小遣い稼ぎ気分でも成立した。
しかし、AI(将棋ソフト)が強くなった時代の大盤解説は、
解説のプロ専門職が求められる。
アナウンサー出身では成り得ず、研究に忙殺される現役棋士では時間が足りない。
前項でも述べたが、若手では、具体的な指し手の説明はできても、「物語」「ドラマ」を語るには経験と教養と話術に欠ける。
加えて、若手にとって聡太君はライバルだ。
聡太君を褒めるようじゃあ、将来は見込めない。
従って、若手棋士は、ファンに喜ばれる解説者と相容れないのである(笑)
さらに、AI(将棋ソフト)の時代は、一昔前に比べて研究時間が膨大になったので、解説者としての勉強時間にはとても手が回らない。
すなわち、棋士と解説者は両立しないのである。
だから、50歳前後の棋士は、早々に解説専門職を目指して貰いたい。
「棋力が衰えたから解説専門職へ」なんて、そんな閑職ではない。
若手と違って、教養と経験を積んだからこその要職である。
決して大袈裟ではなく、解説専門職は、タイトル保持者と同等である。
故・芹澤博文九段の名言がある。
「棋譜は材料、解説者は料理人」(註1)
棋譜を作るのがトッププロなら、それを解説するには一流のコックが必要だ。
解説専門職は、将棋をこよなく愛し、将棋界に誇りを持ち、将棋文化を伝えて行く気概の有る人でなければならない。
聞き手もプロ専門職が必要
加えて、聞き手もプロ専門職が必要ではないか。
男性棋士も女流棋士も、何と言っても自分自身の対局が第一番の仕事である。
現在、聞き手は女流棋士が担当しているが、解説者と同様、もう片手間では成立しない。
また、聡太君が人気アイドル並みに注目されているが、女流棋士も注目される要素を十分備えており、コンテンツとして開発すべきだ。
女子が人気アイドル並みに注目されたものに、バレーボール、卓球、フィギアスケート、テニスなどがあり、例に事欠かない。
よって、女流棋士を聞き手役から解放して、専門の聞き手を養成するべきだ。
解説専門職に最も相応しい棋士は誰か?
では、この解説専門職に、今、一番相応しい棋士は誰か?
断トツ!ブッチギリで!
羽生善治永世七冠です。
あはははは
羽生さんは、日本の100人のオピニオンリーダーに選ばれた方です。
将棋文化を伝えるには、最適な人でしょう?
解説専門職が、如何に重要か、お汲み取り頂けたでしょうか。
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【註解】
註1.「棋譜は材料、解説者は料理人」
本当は「解説者」の部分が「観戦記者」で「棋譜は材料、観戦記者は料理人」が正しい。
昔は、将棋の解説は観戦記だけだったと言っても過言ではない。
テレビ解説は、NHK杯と早指し選手権だけであった。
註:テレビの「囲碁将棋チャンネル」や「ニコニコ生放送」「ABEMA・TV」でタイトル戦が終日生放送されるようになったのは、ここ数年のことである。
よって、「観戦記者」の部分を「解説者」とした。
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【ai時代の大盤解説シリーズ】
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